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2009 年 11 月 11 日 のアーカイブ

原監督・期待に応えたいという采配

巨人が今年7年ぶりの日本一を奪取した。4勝2敗で勝利をものにしたが、今年の巨人は今までの巨人と異なる内容だ。従来の巨人選手は外部から高額の金額でスター選手を集めてチームを作り、監督自身も自らの試合戦術にある内心をを決して明かさなかった。従来の監督は絶対的な権限をもち起用方法をいちいち選手に話す必要はないという考えが当たり前のようにあったという。また、今も同様に振舞う監督が一般的なように思える。
しかし、今回の原監督の采配はこのような監督像とは全く異なって映った。

「監督室のドアは常に開かれていて、選手はみんな、好きなときにコミュニケーションがとれるんだ」とクルーン選手が語っている。彼は今シーズン6月に左手の指を骨折して手術が必要とされていたが、シーズン中の手術は致命傷となりシーズンを棒に振るだけでなく選手生命も左右する事態、手術を拒むのも当然である。そこで原監督は自身の言葉で「僕が君を必要とするのは今よりも秋だ。手術をして万全にしてほしい」を語りかけ、本人は手術に踏み切ったという。王・長島のような雲の上の存在なら言葉はいらないのかもしれないが、原監督は自分の言葉で選手に語りかけている。

包み隠さず、選手に心中を明かす。そのストレートさが選手の気持ちを掻き立てさせているようにも思われる。

原監督自身は、15年間の現役選手時代に王、藤田、長島の3監督の下でプレーしている。その中で最も影響を受けているのは藤田監督らしい。監督自身が選手に近くなったことで選手たちの「監督の期待に応えたい」と言う気持ちが前回監督をしたときより強くなっている、とあるコーチは指摘している。監督像にはカリスマ型や親分型などの個性をもった監督イメージがあるが、基本的には上下関係となっている。今回の原監督のスタイルはこの形にあてはまらない。管理職とスタッフの中間にあり、上下関係がなく平面の上に立つスタイルの監督像に映る。

長島監督は松井秀喜や高橋由のスターに目をかけ育てたが、今回の原監督は、育成出身の若手選手起用や峠を越えたベテランに最も気を配り、チームを勝利に導いている。これらの選手は監督の心中も共有し「監督の期待に応えたい」という一心で実力にプラスされたパワーが出てくるのでしょう。それがひとつになったこのパワーが巨人を日本一にしたのだと確信します。このまた、現在育成中の選手も次の若手選手として次々に登場してくるであろうし、しばらくは巨人の活躍が続くように思います。

名より実、権威より思いやり。一般社会での組織や管理者に求められているイメージを原監督が日本一勝利で実現したと実感します。