港湾空港ハブ機能と国際競争力
我々は今の成熟した日本経済の中で生活をしているが、これも過去の緒先輩が作った高度経済成長等の実績から来ていることであり、現在活況を呈している中国や他のアジアの新興国は今が自国の経済発展段階でその当時の日本の状況ですね。経済発展のためにこれらの国と競争することも必要ですが、現在の日本経済低迷の中を打破するためには次の時代の技術や成長させる産業に目を向けて進む必要性を考えさせられます。少々というよりかなり難しい話題となってしまいましたが、これらがこれからの課題と思いますので紹介します。
ハブ機能と国際競争力
日本の空港や港湾のハブ機能の国際競争力を巡る議論が活発である。
成田の国際空港としての使い勝手の悪さや高コストは明らかだし、神戸や横浜、東京などの外航港湾の貨物取扱高の国際ランキングは下がる一方だ。一国の交通、物流インフラの重要性は論をまたないが、海外需要を取り込むハブ機能の低下を絡める議論は問題の本質を見誤る恐れがある。
日本の国際交通、物流上の地位は1970年代までの1980年代以降で劇的に変わった。戦前を含め、欧米向けの輸出の世界の工場だった日本が成熟経済に移行したのが一つ。より重要なのは非欧米世界で近代工業社会に移行した唯一の経済だった日本が、アジアNIES(新興工業経済群)、東南アジア諸国連合(ASEAN)、中国の急速な工業化、世界の工場化で相対的な地位を低下させた変化だろう。
日本外「野中の一本杉」だった時代、東アジアと欧米を結ぶ外航海運の航路と便数は日本起点が圧倒的だった。自国発着の船便が限られていた韓国、台湾、中国の荷主には日本の港に運んで積み替える需要があった。しかし、自国起点の航路と便数が増えればこの種の需要はなくなる。
空も同様だ。自国の航空発着の欧米向け路線と便数が少なかった時代は日本の空港で乗り換える選択もあった。しかし、経済成長と生活水準の向上で国際線の旅客需要が激増し、路線と便数が増えればこうした需要はなくなる。
世界の成長センターの東端に位置する日本の歴史的、地政学的な環境変化に伴う問題はいかんともし難い。往時の再現を期待するかの発想は現実を無視したもので、「夜郎自大」の批判を免れない。
もっとも、日本は1985年のプラザ合意以降の構造調整を経て「内外格差」を縮小してきたが、コストと機能の両面で不十分な分野の一つがヒトとモノの移動のインフラであることは間違いない。追う者の強みや為替、人件費などコストの優位性を武器とする近隣諸国との競争を過剰に意識するのではなく、東アジア唯一の成熟経済の生活と産業の視点でハード、ソフト両面の改善を目指すべきだろう。
交通・物流インフラの優劣はヒンターランド(後背地)の経済と不即不離の関係にある。金融主導から実物主導への転換は日本の好機であり、産業基盤がまだ健在な今こそ、真剣に考える課題である。(日経 2/26)
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