「危機感」ゆえの投資熱
この記事を読むと日本企業のビジネスの考えが米国などと大きく異なるように思います。韓国企業も危機感を前面に出して、自ら変化しないことには先が無いということを言い聞かせ10年後の成長に向けて積極的に投資を行う方向です。ITについては新技術もプレーヤーも一昔前とは異なっており、この先もどのような新しい勝ち組がでてくるかわからない状況ですね。そこで生き残るためにも投資を繰り返し自己の変化に取り組む姿勢には、このままでは生き残れないという変化のゲームのようにも思います。日本企業も上場企業は利益を作りだしましたが、減収のなかでのリストラや経費節減での利益であり、海外企業との活動の隔たりが大きいように見えます。日本企業もグローバルな世界の中で外に目を向け、いかに変化させるかが課題と思います。その変化が進化につながっていくと思います。
「危機感」ゆえの投資熱 境界なき戦い柔軟さ不可欠
1兆9000億円。今月に入り、米国と韓国を代表する企業が打ち出した大型の投資計画は日本円換算するとほぼ同じ金額だった。IBMとサムスン電子だ。
IBMのパルミサーノ会長は今後5年間に1兆9000億円相当のM&Aを進めると表明したあ。今春復帰したサムスンの李健熙(イ・ゴンヒ)会長も1兆9000億円を、太陽電池など新規事業を含む5つの成長分野につぎ込む考えだという。
世界の経営者は平時モードを飛び越え、「投資の時代」へと軸足をうつしつつある。米国ではIT関連のM&Aが1~3月期に前年同期の3倍以上に膨らんだ。4月にはヒューレット・パッカードがパームを1130億円で買収。5月も独SAPが米サイベースを5400億円で買収すると発表した。
米バロンズ紙によれば、米企業の昨年末時点の手元資金は過去最高だったという。サムスンも3月末の手元資金は1年前の1.6倍。
米国も韓国も世界金融危機を期に経営体質を筋肉質に変え、それを買っ駆って世界の存在感を再び強めようとしている。
ただ、単純に強気へと傾いているだけではなさそうだ。例えばパルミサーノ会長は「IBMは5年で激変しないといけない」と語り、危機感をあらわにする。企業買収で狙っているのは価格競争になりにくいITサービスの拡大であり、世界に4000兆円もあるとされる社会インフラ需要にITを結びつけた事業の開拓だ。
サムスンの李会長は「今後10年は中国が台等し、サムスンを代表する携帯電話、テレビなどの分野で次々と覇権を奪う」と予言する。だからこそ、投資の比重は太陽電池やバイオ、社会インフラなどに置き、それを起爆剤に売上高を4倍に増やす。「サムスンの形を全く違ったものにする模索」なのだと言う。
クラウドコンピューティングやスマートグリッド、スマートフォン...。新しい技術領域は広がるが、IT産業の参入障壁はむしろ低下を続け、中国など新興国企業の台頭も著しい。(中略)
それはIT企業に限った話ではない。米フォード・モーターのある幹部は「近い将来、最大ライバルはグーグルになる」と話す。グーグルは電気自動車とつなぐ充電器の周辺で技術開発やM&Aを繰り返し、荷本屋欧米企業と異なる「別規格」を世界に普及しようとしている。
自動車大手が懸念するのは「ドライバーが発する情報がグーグルに吸い上げられる」ということ。付加価値を巡る戦いは、ここでも境界がなくなっている。
だれが勝者見通せなくなる時代。日本企業はそんな変化に対応し、会社の形を柔軟意変えようとしているのか。上場企業の昨年度の手元資金はやはり過去最高だったが、米国などと比べて、M&Aは圧倒的に少ない。積み上がった資金をどう使うか。日本企業だけが静かに感じられるのは、やはり気がかりだ。(日経 5/24)
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