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2010 年 7 月 3 日 のアーカイブ

W杯サッカーの「歴史の厚み」

 

2010年W杯南アフリカ大会での日本の活躍は今までにない強さを感じましたし、決勝の16強に実力で進出した戦いは今までに無い日本チームのしぶとさを実感しました。決勝トーナメントの初戦パラグアイ戦では互角に戦い延長でも互角で最後のPK戦で敗れましたが、今までに知らなかったサッカーの奥の深さを教えてくれました。これも今後の日本サッカーの原動力になっていくものと思われます。以前にW杯出場枠を決定する試合で「ドーハの悲劇」といわれた日本チームの戦いから見ると何倍にも成長していますね。強豪国も過去のさまざまな戦歴の経験から今の強さを作っていると思うと、次のW杯サッカーに日本が再挑戦できて更に活躍することを期待しましょう。この試合も「ドーハの悲劇」と同様にひとつの歴史として将来語られる歴史の一つになるという記事がありましたので記録しておきます。

 

すべては「歴史の厚み」に

日本代表の戦いを見ながら、勝敗を超えてW杯に無駄な試合は一つもないことを改めて確認した。

あらゆるスポーツがそうであるように、サッカーも経験がものをいう競技である。1930年の第1回大会からすべてのW杯に出場し、この南アフリカ大会までに92戦5度の優勝を誇るブラジルと1998年フランス大開で初出場を果たし過去3大会で10戦しかしていない日本とでは経験値の開きはあまりに大きい。

今を生きる選手に過去は関係ないという見方もあるだろう。ブラジルにも日本にもW杯初出場の選手がいる。「初」という点では五分と五分だから引け目を感じる必要はないと。しかし、国としての歴史(記憶)の蓄積の大切さを肌身でもって学んだのは、ほかならぬ日本ではないだろうか。1990年代以降の日本サッカーの急激な伸長を振り返るとき、特にその思いは強くなる。

たとえば、W杯初出場を決めた1997年の「ジョホールバルの歓喜」。がけっぷちの連続だったあのアジア予選をくぐり抜けさせたのは、その4年前にロスタイムの失点で米国W杯行きを逃した「ドーハの悲劇」の悔しさだった。選手は入れ替わっても、苦い記憶と「自分たちの手で」という熱い思いは共有されていた。

フランスW杯の3戦全敗があって足らざるを知り、海外挑戦した中田英寿らを軸に2002年日韓大会は1次リーグを突破した。それは自負とともに慢心を生み、詰めの作業を怠ったドイツ杯で「史上最強」の日本に惨敗をもたらした。

今大会の日本はその4年前のW杯を反面教師にしたところがある。どれほどに「個」に優れた選手を集めても、体調を整えて戦術的にも精神的にもしっかりまとまったものがないと額面以上の結果は出せないことを。

こうして見ると、間違いなく日本サッカーは、上がり下がりしながら1本の稜線の上を歩いていることがわかる。

南アフリカ大会が始まる前、結果はどうあれ、これまで味わったことのない経験をしてほしいと願っていた。たとえば、誰かが直接FKを決めたりハットトリックをしたり、退場者、オウンゴール、誤審に泣いたり喜んだり、延長戦やPK戦を戦ったり...

良いことも悪いこともひっくるめて、そうした悲喜こもごも我々の記憶の袋に収まれば、やがてそれらは歴史の厚みとなって、有形無形の財産を後に続く選手に残すことになる。サッカー大国と呼ばれる国々がそうしてきたように。

今回のチームはそういう意味でいろいろなことをやりながら、見せながら、稜線の一番高みを歩いてくれた。駒野(磐田)が外したPKも「あれがあったから」と、いつか語れる日が必ず来るだろう。(日経 7/2)

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