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上場企業の海外資産が増加

2010 年 7 月 31 日 今井 明徳

 

企業の資産は人物金と言われますが、海外へ向けたグローバル化の結果として、上場企業の資産の3分の1超が海外に置かれている状況となっています。工場資産や在庫品や活動する人員など海外で行われている活動や設備資産の割合となります。例として、日産自動車の工場資産や従業員数が50%以上が海外であり、資生堂は海外企業の買収などで海外での資産が50%を超えており従業員数も4割が海外です。今後も海外比率は増加していくでしょう。課題になるのが国内産業の空洞化で、経済や雇用に跳ね返ってくることが気になりますね。

有力660社の工場など資産 海外比率3分の1超

上場企業の国際展開とともに、工場や在庫など海外に持つ資産の比率が高まっている。有力660社では2010年3月期、国内外の資産合計に占める海外比率が3分の1を超えた。資生堂やクボタで海外資産が国内を初めて上回るなど、試算の内外逆転企業も計45社と5年間で倍増した。

従業員数や利益でも内外逆転が相次いでおり、「国内に何を残し海外とどう機能分担するか」がより重要になってきた。

国際展開の進んできている上場企業は連結ベースで国内、海外それぞれの資産や営業損益を開示しており、2010年3月期は660社(金融・新興市場除く)が開示した。日本経済新聞の集計では海外資産は計92兆7600億円で、海外資産比率は34%を5年間で4ポイント上昇した。新興国市場の開拓や生産コストの削減、円高対応を狙い、企業が海外で現地生産や買収を加速しているためだ。

海外資産が国内より多い企業も45社と、1年前より8社増えた。もともと内需型だった資生堂は、米化粧品大手ベアエッセンシャルの買収やベトナム工場の建設で海外資産比率が56%に急上昇。クボタは海外生産の拡大で50.3%になった。

海外資産比率が最も高いのは、英ピルキントンを2006年に買収した日本板硝子の85%で、オリンパスや日本たばこ産業も7割を越す。海外で大型買収をした企業や現地生産に積極的な自動車大手などが目立つ。コマツやパイオニアも海外資産が国内に迫ってきた。

従業員や利益でも連結ベースで内外逆転が相次いだ。日産自動車は2010年3月期、海外従業員が初めて国内を上回った。HOYAとTDKは従業員の海外比率が87%に達する。外国人採用も増えており、ミツミ電機は従業員約3万6800人の過半が中国人だ。

一方、海外の営業損益が国内を上回ったのは245社にのぼり、5年間でほぼ4倍に増えた。

今後は国内外の機能分担が課題になる。具体的には国内に研究開発(R&D)拠点や、先端技術を海外に広げる起点となる「マザー工場」を配置、生産・販売の最前線となる海外とすみ分ける動きが広がりそうだ。

海外資産比率が74%のホンダは、2013年に稼動させる寄居工場を「次世代環境車などに必要な高度な生産技術を追求する拠点」と位置づける。ここで磨いた生産技術を海外工場に広げる。

海外資産比率が72%のミネベアも、ベアリング生産の0.1%だけを担う長野県の軽井沢、大量生産は海外とすみ分けている。

資産が内外逆転した45社は3月期決算企業全体でみればまだ3%だが、国内の産業空洞化に繋がる懸念も残る。企業が国際的なマネジメント力を高めるとともに、国内拠点の維持・拡大を後押しする税制改革や規制緩和も求められそうだ。(日経 7/31)

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