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IT・クラウド投資で資産巨大化

2010 年 7 月 8 日 今井 明徳

 

クラウドによりユーザはIT投資をすることなしに、システムやソフトを利用できることで話題を呼んでいるが、それをサポートする巨大なデータセンターの設備投資を行いクラウド環境を提供するIT会社のリスクは大きい。資金負担の増加と固定費の増加により経営効率も圧迫されるためですね。また、投資したデータセンター建設後にクラウド利用の推進で計画通りにユーザが増えない場合の投資回収リスクもあるでしょうね。今回のクラウド話題は株式市場から見た場合のIT会社のクラウド対応に向けたデータセンター建設投資の課題点となります。

成長と表裏 リスクも潜む

IT業界の話題は今、「クラウドコンピュティング」一色だ。ネットワーク経由でユーザが様々なシステムやソフトを使えるクラウドは、データセンターが必須とあって、IT各社は競うように大型投資に動いている。バラ色の未来ばかりが語られがちだが、巨大な資産を抱える「装置産業」への転換は、実はリスクと隣り合わせでもある。

ITサービスは元来、エンジニアが受注先のシステムを開発する労働集約に近い事業モデルだった。ハードの多くがIT会社でなく、顧客の側にあったからだ。

だが、ユーザが必要な機能を選んで使える「SaaS(サース)」の普及あたりから、潮目は変わった。ハードを持つのは顧客でなく、IT会社、クラウドはその流れを決定づける。

実際、IT会社は設備投資を増やしている。2011年3月期は新日鉄ソリューションg亜前期の2倍以上、伊藤忠テクノソリューションズやITホールディングスも1割増を見込む。

成長のための投資ではある。しかし、官民を挙げたクラウド推進の大合唱の前に、巨大な資産を抱えることになるIT化医者の経営リスクはかすみがちだ。資金負担は増し、固定費の減価償却費は増え、総資産利益率(ROA)など経営効率も悪化しかねない。

各社の大型データセンターが相次ぎ稼動する2012年には「供給過剰」を不安視する声もある。稼働率の上がらない施設は減損リスクも気掛かりだ。日本ユニシスが地銀向けシステムを構築したものの、思うように顧客が集まらず、2009年3月期に215億円もの減損損失を計上したのは記憶に新しい。

その点、IT各社の株価は興味深い。PBR(株価純資産倍率)が1倍を上回るのは、大半が規模に勝る会社だ。株式市場は「雲」の向こうに、IT各社の厳しい体力勝負を見据えているようだ。それはゆくゆくの再編機運をも予感させる。(日経 7/8)

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