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がんワクチン・次世代治療

2010 年 7 月 9 日 今井 明徳

 

医薬品業界においてもがん治療において次世代の研究開発が進んでいる。がんワクチンが今までの手術・放射線治療・薬物療法に続いて画期的な治療法となるための研究が進められているようです。特に患者にやさしいがん治療薬のように思われますね。日本ではがんによる死亡が高いので、非常に期待が持てる話題です。早く製品化を実現して、がん患者の治療に効果をあげてほしいですね

がんワクチン 免疫活性化させる治療

第一三共とアステラス製薬はヒトの免疫機能を活性化してがんを治療する「がんワクチン」事業に相次ぎ参入する。がんワクチンを研究する国内の創薬ベンチャーに出資、提携する。がんワクチンは副作用が少なく、次世代の治療技術として実用化が期待されている。世界の製薬大手は需要が見込めるがん治療薬を医薬品開発の重点分野にしており、両社とも最先端技術の実用化を急ぐ。

がんワクチンが働く仕組み

がん細胞にあるたんぱく質などの物質(抗原)を人体に投与する治療薬。異物を排除する免疫反応を活用させ、がん細胞を攻撃する。がん治療だけでなく、がん摘出手術後の再発予防にも使える。人体の免疫反応を活用する点では「抗体医薬品」も同様だ。ただ、抗体医薬品が異物に反応する抗体を投与するのに対し、ワクチンは異物そのものを投与する。このため免疫機能を直接的に強め、作用が一定期間持続し高い効果が期待できる。抗がん剤との併用も可能だ。

がん分野 世界大手の主戦場に

世界の製薬大手は今後の新薬開発の対象にがんを据えている。がんは欧米では心疾患についで死因の2位、日本では1位を占める。心疾患の原因である高血圧症や高脂血症の治療薬はこの20年で多くの製品が発売され、新たな効果が期待できる製品の開発は難しい。心疾患に比べて治療薬が少ないがん分野が開発競争の主戦場になってきた。各社の現在の開発の主流は「抗体医薬品」。がん細胞を攻撃する抗体を人工的に作り投与する。化学合成でつくる従来の治療薬が正常細胞まで攻撃するのに対し、がん細胞に標的を絞るので副作用が少ないとされる。武田薬品工業など国内の製薬大手がここ数年買収した欧米のベンチャーはがん抗体医薬品を開発する会社だ。

次世代技術の「がんワクチン」は抗体医薬品のメリットに加え、効果の持続期間が長いため投与回数を減らせる。種類によっては大量生産が可能で製造コストも5分の1~10分の1程度で済む。年間の費用が数百万円に達する抗体医薬品よりも治療費を下げられる。「手術」「放射線治療」「薬物療法」に続く第4の治療法として期待されている。

世界のがん治療薬市場は約500億ドル(約5兆円)とも言われている。調査会社シード・プランニングによると、海外では10種類以上のがんワクチンが臨床試験の最終段階に進んでおり「2015年の世界市場は数千億円規模」という。

日本は科学合成や抗体による医薬品の開発では欧米に大きく遅れていた。がんワクチンでも欧米に先行されたが、国内製薬大手と創薬ベンチャーの協業で巻き返しを狙う。(日経 7/9)

がんワクチンの開発状況

(注)医薬品の開発から発売までの流れ
臨床試験初期(Ph1)→中期(Ph2)最終段階(Ph3)→製造販売認可→発売
会社 主な対象疾患 開発状況
アンティジェニックス(米) 腎がん ロシアで販売
デンドレオン(米) 前立腺がん 米で認可
グラクソスミスクライン(英) 非小細胞性肺がん Ph3
イミュノフロンティア(日) 食道がん Ph1
グリーンペプタイド(日) 前立腺がん Ph1終了
オンコセラピー・サイエンス(日) 膵臓(すいぞう)がん Ph2・Ph3

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