有望ベンチャーに光を
米セールスフォース・ドットコム者のメークベニオフ会長へのインタビュー内容です。米国の新興IT企業のの成功者から見ると日本市場は大変有望な市場と見ているようです。市場を形成しているIT企業や利用する消費者の意識など、世界中で比較しても日本はホットな国のように映っており、積極的に投資をしたいという意欲を持っているようです。ただし、その日本市場にいる我々日本人はあきらめや後ろ向きな考え方となり成功のためにリスクを取らないことを気にしています。国内での成功事例を勉強して、マインドをチャレンジに向けて進める姿勢が必要と思います。
有望ベンチャーに光を マーク・ベニオフ会長インタビュー
-東日本大震災後の日本経済は閉塞感を強めている。米国のグーグルやセールスフォース・ドットコムのような新興企業も育っていない。
「皆さんは気づいていないのかもしれないが、日本は成功事例であふれている。セールスフォースは現在、日本のITベンチャーへの投資を加速している。何度も日本を訪れるうちに、この国には、すばらしい企業家がいて、有望なベンチャー企業がたくさんあることに気づいた。その大半が過小評価されている」
「我々は日本に専任の投資責任者を置き、常に投資機会を探っている。米国人の私が日本のベンチャー投資の魅力を宣伝するのも奇妙だが、日本は投資機会にあふれた非常に魅力的な市場だ。これまでに4社に資金を投じたが、今後も投資を続けていく」
あきらめるな
-日本ではリスクをとって起業する若者が減ったともいわれている。
「日本の人々は失敗例にとらわれすぎだ。すばらしい技術があり企業家がいて、チャンスや成功例はいくらでもあるのに、それに目を向けようとしない。『あれはできない』『これもできない』と、あきらめる癖がついてしまっている。まずは、成功例に目を向けることから始めたらどうか」
-ハードウエアの「ものづくり」は得意だが、ソフト・サービスは苦手という固定観念もあるようだ。
「そんなことはない。携帯電話向けサービスを展開するグリーやディー・エヌ・エー(DeNA)は世界的にも有力なIT企業だ。楽天などインターネット企業も育っている。まつもとゆきひろ氏が開発したプログラミング言語の『ルビー』は世界に普及したではないか。我々は彼をグループ企業の開発責任者の一人として迎え入れた」
「日本はIT・ネットの市場としても有望だ。先進国の中でもスマートフォンやタブレット端末の普及率が高く、日本の消費者や企業はどこよりも早く最先端の技術を使いこなし始める。トヨタ自動車は我々と組み、SNSを活用した自動車ユーザ向けの情報サービスを開発する。全く新しいクルマの売り方が生まれる契機になるだろう」
信頼、ネットから
-原子力発電所事故への対応のまずさなどから日本に対する世界の信頼が揺らいでいる。
「我々、海外の企業が日本で事業を展開するには、国家の信頼と透明性が必須だ。その意味では日本政府の原発事故への対応は不明瞭だったと言わざるを得ない。情報開示も遅れがちで透明性にも欠けていた。フィルターがかかっていない生のデータをどんどん開示するべきだった。国民や企業も積極的に政府に情報開示を求め、得た情報をネットで広く世界に発信してほしい」
「新しい日本は、信頼の上に築かなければならない。自国の国民や企業に加え、他国や外資系企業の信頼を取り戻す必要がある。ネットを通じて世界の人々が瞬時に意見を交わらせるソーシャルの時代だからこそ、信頼を最重視すべきだ。政府がSNSを使って必要な情報を開示すれば、信頼関係を取り戻すことにつながる」
-シリコンバレーの経営者は、今の日本をどう見ているか。
「期待しているし、心配もしている。今こそ大きな課題にしっかりと取り組んでいる姿勢を世界の政府や企業に向けて示す必要がある。セールスフォースは全てのサービスの不具合を顧客に即座に開示する専用サイトを持っている。日本政府も同様のサイトを立ち上げて、震災や原発事故に関するあらゆる情報を各国語に自動翻訳して開示すべきだ」(日経 8/18)
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