ネットに「つながる」市場の創造
今日の話題はITの進化によるビジネスは全製造機器にチャンスが存在する話題です。これまでの新製品開発においては、いかに製品そのものに付加価値を付けるかが競争でした。これにより自動車や、電気製品などを中心に進化してきました。これらの進化に加えてITを結びつけることで更に新しい市場を見出すチャンスが見えてきました。これまでの機器がネットに繋がることで新しいビジネスを創ることができますね。
ネットに「つながる」市場の創造 全機器に無限のチャンス
東日本大震災から2ヶ月後の昨年5月。宮城県・南三陸町で最も大きな避難所となった総合体育館「ベイサイドアリーナ」で健康診断のボランティアが始まった。
避難所生活はストレスがたまり、高齢者が体調を崩す懸念があった。そこで血圧計などで避難者の体調を測定し、栃木の自治医科大病院にネット経由でデータを送った。医師はそれをチェック、異常があれば近隣の病院に連絡し、診察してもらった。
ボランティアに参加したのは医療機器のオムロンや米インテルの日本法人など8社。「コンティニュア」という企業の集まりのメンバーだ。
血圧計や歩行計、血糖値測定器。各社が持ち込んだ機器にはどれもマイクロプロセッサが組み込まれ、パソコンのようにネットにつながる。実はコンティニュアは米インテルが提唱する通信規格の名前。健康・医療機器を「パソコン化」して普及し、さらに新サービスや経営モデルをつくることに取り組んでいる。
製品化の動きはすでに活発だ。日本ではこの1、2年、血圧計、体重体組成計、専用パソコンなど12種類以上の製品が発売された。
海外でも米ゼネラル・エレクトリック(GE)やマイクロソフト、IBMなど200社以上が血糖値測定計など20種類を超える製品を発売。最近は中国企業もこの規格を採用し始め、事実上の世界標準になる兆しが出てきた。
だが、インテルの関係者は「本命は日本だ」と言う。計測データを他の電子機器に瞬時に送れ、記録を管理・編集できる高性能な機器は、日本が一番普及しているという。
また、日本は先進国で最も早く少子高齢化を迎える「課題先進国」。「健康データは貴重な社会資産」という考え方が広がれば、個人のデータを集め、政策決定や研究、製品開発に生かせる機会が一気に広がるとの期待もある。
もっともネットに「つながる市場」は健康・医療だけではない。例えば自動販売機に魔法瓶。近い将来、そうしたものまでプロセッサーを組み込もうとする動きもある。自販機は災害時に避難場所などを指示する司令塔になる。魔法瓶はお湯を注ぐ動作で、一人暮らしの老人の安否確認をする通信機器になる。
こうした広がりを予測するインテルは昨年、ポール・オッテリーニ最高経営責任者(CEO)が「パソコン向け以外の半導体にも大きな投資をしていく」と表明した。
その一つはスマートフォン(スマホ)だが、それ以外にも高性能のサーバ、医療機器、スマートグリッド向けなどを挙げた。研究開発投資は7千億円。これまででも最も大きな中長期投資だという。
日本法人の吉田和正社長は「今後数年間は身の回りにある何もかもをネットにつなげようとする動きが世界中で起きる」と話す。「スマホの次」にくるIT機器ブームは、どこからでも始まるチャンスがあるわけだ。
IT産業のまとめによれば、現在、ネットと接続されている機器類はパソコンを中心に世界で50億台。だが、2015年には150億台、2025年には300億台にまで増える可能性があるという。
だが、日本企業は同じ轍を踏んではならない。パソコンで世界を支配したのはインテルとマイクロソフトの「ウィンテル」だった。パソコンを追い抜いたスマホを支配しつつあるのはアップルとグーグルだ。
例えば、ウィンテルが築いたのは自らが新技術の工程表を策定し、パソコンメーカーがそれに沿って事業計画を練るように仕向ける経営モデルだった。日本の電機産業は主導権が握れず「下請け」に甘んじた。スマホでもアップルなどについて行けばしばらくは食べていける。だが、成長市場は自ら切り開かなければうま味は小さい。
1990年代に始まったIT革命は、すべてがネットでつながる時代の到来を示した。経済価値の源泉がモノから、モノや情報が生むサービス・体験に移ったのだ。スマホに代わる新経済圏は無数に広がる。問題は自らの利益にそれをどう「つなげる」かだ。(日経 2012/1/22)
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