ビジネスの進化は生態系の進化と同じ法則があるという話題です。動植物の進化はより強くなり生き延びるためにいろいろな形に変化して進化してきています。これをエコシステムと言っていますが、この生態系の進化がビジネスの世界でも適用されているということです。特に技術の変化が激しいIT業界においては競争に勝し生き残るために、新技術を開発し相互に協業したり合併したりということを繰り返している点が生態系の進化と同様に映ります。このことからビジネス・エコシステムというようです。
ビジネス・エコシステム 離合集散続け進化
米ハーバード大学の研究員などを務めたジェームズ・ムーア氏が1993年に発表した「ビジネス・エコシステム」という論文で、生物学の生態系という概念をビジネスの領域に応用した。生態系は、それぞれの生物が自立的に生息し、協調と競争を繰り返しながら構成している。誰かが生物を強制的につなぎ合わせて作ったものではない。
ビジネスの世界でもかつては有力企業が関連企業を指揮しながら事業を進めるやり方が一般的だったが、ITなど新分野では企業が生態系に似た離合集散を繰り返す。より良いビジネス環境を求め中核機器、周辺機器、基本ソフト(OS)、応用ソフト、サービス、コンテンツなどの企業が自発的に結びつく。これをエコシステムと呼び、企業は協調と競争を続けつつ進化する。
アップルはアプリを事前審査するなどエコシステムの上位企業が恣意的に参加者を取捨選択できるとの見方もある。ただソフト企業などは競合グループへの移籍や複数グループへの持ちかけができ、上位企業は参加者の確保・維持に配慮せざるを得ない。効率的で多様性あるれるエコシステムを築いた企業が高収益を上げている。(日経 2012/3/12)
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米ITの復活劇ですが、両社ともにあまりにも鮮やかな復活したIT企業を見てみたいと思います。IBMは1980年代にエクセレントカンパニーと言われメインフレームコンピュータで世界を凌駕しましたが、小型コンピュータへのダウンサイズの波で危機に立たされ、アップルもMAC不振による経営危機に瀕した企業です。新興企業の台頭でIT業界が進化するだけでなく壮年企業の復活パワーも見逃せない話題です。
アップルとIBM 米IT・2つの復活劇
2008年の世界金融危機以降、「米国が日本化(ジャパナイズ)する」という議論が流行した。家計の過剰債務が米経済全体に重くのしかかり、そこに政治の指導力不足が加わって、バブル崩壊後の日本と同じく景気の低迷が続く、という見方である。
確かにマクロの指標で見れば、米国経済はかつての力強さに欠け、成長力低下の懸念には根拠がある。だが、視線を個別企業に(ミクロ)に転じれば、そこに広がるのはやはり日本の数段上を行くダイナミズム。それもフェイスブックのような新興企業の台頭ばかりでなく、老年ないし壮年企業の復活が著しい。
その代表が昨年創業100年を迎えたIBMだ。同社の株価は今年初め、創業以来初めて200ドル(株式分割調整ベース)の大台を突破し、米株式相場全体のリード役に躍り出た。同じく一昨年に創業100周年を迎えた日立製作所とIBMの売上高はほぼ同水準だが、収益力の圧倒的な格差を反映し、株式時価総額は日立の2.1兆円に対し、IBMは18兆円強と10倍近い開きがある。
そして「元気な壮年」のシンボルがiPadの新機種を発表したアップルだ。同社は1976年の設立。偉大な創業者スティーブ・ジョブズ氏は、世を去ったが、彼の残したイノベーション(革新)の遺伝子は健在だ。
IBMとアップルはともに1990年代のある時期、深刻な経営危機に見舞われたことがある。その際IBMはRJRナビスコ会長だったルイス・がースナー氏、アップルは社外に追われていたジョブズ氏というリーダーを迎え、再生を果たした。新しい企業を生む力と、傾いた企業を大胆な人事や戦略変更で蘇生する力。この2つがハイテク・レネサンスといわれる米IT産業の繁栄を支えている。このダイナミズムが不信に沈む日本のエレクトロニクス産業に欠けているものだ。(日経 2012/3/9)
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このところスマートフォンへのアプリ提供が盛んになって来ています。そのアプリの中でもゲームアプリが日本ばかりでなく世界中で広がっているようです。日本ではグリーやDeNAが中心となっており海外への展開を急いでいますが、海外のスマホアプリは日本への進出を本格的に行っているようです。今までは日本の携帯市場がガラパゴス状況でしたが、スマートフォンの普及で海外のスマホアプリ企業が伸びてくると思います。
スマホアプリ続々日本へ 配信基盤に国境なし
スマホアプリのグローバル展開で最も成功した例がフィンランドのロビオ社のゲームアプリ「アングリーバード」だ。全世界での累計ダウンロード数は7億回を超えた。そのロビオはフジテレビと業務提携する。日本をテーマにしたアングリーバードの新ゲームアプリを共同開発し、パソコン向けに配信を始める。
各国のアプリランキングでトップを獲得するアングリーバードも「グリー」や「モバゲー」などの交流サイト(SNS)ゲームが根強い日本ではトップをとれなかった。このためフジとの協業で本格的な市場開拓に乗り出し、巻き返しを狙う。海外の強力アプリが続々と日本に攻め込んでくる。そんな危機感から国内のアプリベンチャーも海外進出に動く。
ICT総研によれば国産アプリは国内シェアでiOSとアンドロイドの搭載機で共に52%を確保。一方で中国のiOSアプリ市場で米国アプリのシェアが20%を越えるなか、日本勢は5.3%と海外展開が遅れている。
これまで日本の携帯電話向けソフトメーカーは通信会社ごとの仕様にあわせアプリを開発してきたため、海外進出が進まなかった。スマホでは米アップルの「アップストア」など世界共通のソフト配信基盤がある。個人でも有力なアプリを開発すれば世界で販売が可能になるため、ベンチャー企業の開発意欲を後押ししている。(日経 2012/3/8)
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エルピーダの会社更生法や日本の家電メーカーの赤字見通しなど厳しい状況となっていますが、世界をみると韓国のサムスン電子や急成長の中国企業の台頭が著しい話題となっています。この状況をみると日本の技術は大丈夫か、と思われます。携帯市場ではこれまで中心だった携帯電話からスマートフォンに変わろうとしており、この変化に取り残されたガラパゴスといわれる日本の家電業界のこれからの再浮上のためにも世界レベルでのグローバル戦略とシェアを奪還する貪欲さで頑張ってほしいですね。
スマホ対応の機敏さで明暗 貪欲さとグローバル精神
ちょうど1週間前、情報通信産業の将来を映す出来事が欧州と日本であった。スペインのバルセロナで開かれた携帯電話見本市「モバイル・ワールド・コングレス」での中国企業の躍進と、エルピーダメモリの会社更生法の適用申請だ。
「日本の電機メーカーは大丈夫なのか」。家電各社の大幅な赤字見通しが発表された後だけに、開幕直後の見本市会場には日本に対する不信感が渦巻いた。
一方の中国企業。今までサムスン電子など韓国の勢いが強かったが、今年特に目立ったのは華為技術(ファーウェイ)や中興通訊(ZTE)などの中国勢だ。華為は10ヵ所あった展示場の一つを丸ごと借り切り、ZTEは6万人の来場者に配る入場カードの広告入りストラップを提供した。
展示物にも近いが表れた。パナソニックは新たにスマートフォンを発表する一方、お年寄り向けの携帯電話を展示。最先端技術のスマホを全面に掲げた華為と対照的だった。
彼我の差はいつから生まれたのは。パナソニックやNECは10年前には世界の第3世代携帯電話(3G)をリードした。だがその後、日本勢は国内に傾斜。5年前に「iPhone(アイフォーン)」が登場すると、携帯技術の主導権を米国企業に奪われてしまった。
きっかけはクラウドコンピューティングの登場だ。情報をデータセンターに預けインターネットを介して利用する端末としてスマホが普及。情報を手元に置くパソコン時代と違い、DRAMのメモリーも以前ほど重要で無くなった。エルピーダの失敗は従来モデルに固執したことにある。
技術の転換点に機敏に反応したのが台湾のHTCやサムスンだ。中途半端に大きい市場を持つ日本勢は自己技術を妄信し、スマホに二の足を踏む。結果、5年前に5000万台以上あった国内端末出荷台数は3000万台を割り込み、海外に売れない「ガラパゴスケータイ」どころか、虎の子さえも失った。
さらに海外に力を注いだのが中国勢だ。軍の技術者が始めた華為は、創業25年で売上高が2兆5000億円。スウェーデンのエリクソンに次ぐ世界第2の通信機器メーカーに成長した。売上高の7割以上をアフリカなど海外が占める。
実は従来技術にこだわったのは「ウィンテル」で成功したマイクロソフトやインテル、携帯電話最大手、フィンランドのノキアも同じだった。体力のある彼らは今回の見本市では技術を仕切り直し、韓国や中国企業に防戦を挑む。
問題は日本企業の今後の出方だ。NTTドコモの山田隆持社長は「3Gは日本が先行し過ぎて失敗した。同じ過ちは犯さない」という。スマホは出遅れたが、新しい高速無線技術「LTE」では再び世界をリードできるというわけだ。
だが、その実現には世界を見据えた技術の標準化と新興市場を取り込む販売戦略が欠かせない。ソニーの海外販路を開拓した卯木肇氏は「電気のないところに電気製品を売りに行った」そうだが、日本が失ったのはそうした貪欲さとグローバル精神だ。中国企業の躍進には我々は忘れていたものを思い起こす必要がある。(日経 2012/3/5)
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販売戦略の中に商品のブランド化という話題がありますが、今日の話題はトヨタのレスサスにたいするブランド化の挑戦の話題です。競合車としてメルセデス・ベンツとBMWのドイツ車となるようです。どうしてもドイツの高級車の牙城を切り崩せないトヨタのようです。今度の本気のリ・ブランド戦略としたブランド作りで好走するでしょうか。見守ってみましょう。
日本をリ・ブランドする
トヨタ自動車の高級車「レクサス」と、メルセデス・ベンツやBMWなどの独高級車。両社の違いは様々あるが、ビジネスの視点からみた最大の相違は地理的な広がりだ。ドイツブランドが世界に広く深く浸透したのに対して、レクサスの大成功は北米市場に限られ、ブランド創設から20年以上たった今も世界販売の過半を北米に依存する。
その限界を映したのがほかならない日本だ。トヨタは2005年に国内でブランド展開を開始。販売店のショールームを高級ホテルのロビーのようにピカピカに磨き上げ、「お金持ちはドイツ車に乗るという常識を壊す」と意気込んだが、歯がたたない。トヨタ幹部は「レクサス購入者の大半は『クラウン』などトヨタ車からの乗り換え。独車は強い」と打ち明ける。
為替の変動や電力不足。日本経済を取り巻く環境は厳しいが、それを克服する一つの手立てがブランド力の強化だ。ブランドが強ければ、値上げで為替変動を吸収することもでき、事業基盤は格段に安定する。
だが、そもそもブランドとな何だろう。知名度の高さや会社の強さとは微妙に違う。例えば多くの若者にとってアップルは心を動かすとびきりのブランドだが、競争相手のマイクロソフトとなるとどうか。さらに訴求力の高いCMや洗練された店舗はブランド形成の必要条件かもしれないが、十分条件ではない。
ブランド研究の第一人者、片平秀貴氏の著作によると「ブランドの存在する場所は顧客一人ひとりの脳細胞だ」という。消費者がある商品やサービスに遭遇した時の驚きや感動が脳細胞に刻み込まれ、その後その商品を通じて味わった興奮や楽しさ、満足感によってブランドが強化され、確固たるものになる。つまり、ほかでは得がたい独自の世界を顧客に提供し続けることで、ブランドはブランドとして成立するのだ。
一朝一夕にはいかないブランド形成にとって、欠かせない条件の一つが商品に対するトップの熱い思いではないか。ソニーはかつて日本でも最も輝いたブランドだが、同社には「空飛ぶ8ミリビデオ」という伝説がある。ソニーの黄金期を築いた大賀典雄社長時代。商品企画会議に出てきた大賀社長が、ビデオカメラの試作品のデキが悪いことを激怒し、放り投げたのだ。
強いブランドを持つ企業はこの種の逸話にこと欠くまい。その代表選手がデザインや製品に偏執狂的にこだわったアップルのスティーブ・ジョブズ氏だろう。
暴徒の話題に戻れば、今トヨタはトップの陣頭指揮の下でレクサスの再強化に乗り出した。万人受けする従来のデザインを大胆に変更し、「乗り手の勘定に訴える走り」をめざすという。年間200台以上のクルマに試乗する豊田章男社長は典型的なカーガイ。レクサスのリ・ブランド(再構築)の成否は、トヨタや、ひいては日本の製造業全体の方向性を示す貴重な実験になるかもしれない。(日経 2012/2/29)
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